2026年10月6日(火)看護師クイズ 回答

概要 82歳男性。労作時の息切れがあり、最近、歩行中に一時的な意識消失を認めました。聴診では胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取し、頸部への放散を認めます。
重症大動脈弁狭窄症(AS)を示唆する身体所見として、最も特徴的なのはどれでしょうか?






① 脈圧が増大し、速く立ち上がる脈拍
② 頸動脈の立ち上がりが遅く、振幅が小さい
③ 吸気時に収縮期血圧が著明に上昇する
④ 橈骨動脈で交互脈を認める




回答

② 頸動脈の立ち上がりが遅く、振幅が小さい

解説

大動脈弁狭窄症では、大動脈弁の狭窄によって左室から大動脈への血液の駆出が妨げられます。

特に重症ASでは、狭窄した弁を通過するために血液の駆出に時間がかかるため、頸動脈を触診すると「脈が小さく、立ち上がりが遅い」という特徴的な所見を認めることがあります。

これを「pulsus parvus et tardus(小脈・遅脈)」と呼びます。

parvus=小さい
tardus=遅い

つまり、「弱くて、ゆっくり立ち上がる脈」と覚えると理解しやすいです。

また、ASでは典型的に収縮期駆出性雑音を認め、右第2肋間胸骨縁付近で聴取される雑音が頸動脈方向へ放散することも重要な身体所見です。

一方、①の「脈圧が大きく、速く立ち上がる脈」は、大動脈弁閉鎖不全症(AR)などでみられる所見であり、ASとは対照的です。

ASが進行すると、労作時呼吸困難、狭心症、失神などの症状が出現します。特に「労作時失神+収縮期駆出性雑音+頸動脈への放散」があれば、重症ASを疑って評価することが重要です。

【臨床でのポイント】

ASの患者さんでは、聴診だけでなく「頸動脈を触る」ことも重要なフィジカルアセスメントです。

「雑音を聴く」+「頸動脈を触る」

この2つをセットで評価すると、ASらしい身体所見をより捉えやすくなります。

【エビデンス・参考】

大動脈弁狭窄症の重症度評価は身体所見だけでは確定できず、心エコーによる大動脈弁最大血流速度、平均圧較差、大動脈弁口面積などを組み合わせて総合的に評価します。

参考:
・2020 ACC/AHA Guideline for the Management of Patients With Valvular Heart Disease
・2021 ESC/EACTS Guidelines for the management of valvular heart disease
・日本循環器学会「弁膜症治療のガイドライン」

概要 82歳男性。労作時の息切れがあり、最近、歩行中に一時的な意識消失を認めました。聴診では胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取し、頸部への放散を認めます。
重症大動脈弁狭窄症(AS)を示唆する身体所見として、最も特徴的なのはどれでしょうか?






① 脈圧が増大し、速く立ち上がる脈拍
② 頸動脈の立ち上がりが遅く、振幅が小さい
③ 吸気時に収縮期血圧が著明に上昇する
④ 橈骨動脈で交互脈を認める




回答

② 頸動脈の立ち上がりが遅く、振幅が小さい

解説

大動脈弁狭窄症では、大動脈弁の狭窄によって左室から大動脈への血液の駆出が妨げられます。

特に重症ASでは、狭窄した弁を通過するために血液の駆出に時間がかかるため、頸動脈を触診すると「脈が小さく、立ち上がりが遅い」という特徴的な所見を認めることがあります。

これを「pulsus parvus et tardus(小脈・遅脈)」と呼びます。

parvus=小さい
tardus=遅い

つまり、「弱くて、ゆっくり立ち上がる脈」と覚えると理解しやすいです。

また、ASでは典型的に収縮期駆出性雑音を認め、右第2肋間胸骨縁付近で聴取される雑音が頸動脈方向へ放散することも重要な身体所見です。

一方、①の「脈圧が大きく、速く立ち上がる脈」は、大動脈弁閉鎖不全症(AR)などでみられる所見であり、ASとは対照的です。

ASが進行すると、労作時呼吸困難、狭心症、失神などの症状が出現します。特に「労作時失神+収縮期駆出性雑音+頸動脈への放散」があれば、重症ASを疑って評価することが重要です。

【臨床でのポイント】

ASの患者さんでは、聴診だけでなく「頸動脈を触る」ことも重要なフィジカルアセスメントです。

「雑音を聴く」+「頸動脈を触る」

この2つをセットで評価すると、ASらしい身体所見をより捉えやすくなります。

【エビデンス・参考】

大動脈弁狭窄症の重症度評価は身体所見だけでは確定できず、心エコーによる大動脈弁最大血流速度、平均圧較差、大動脈弁口面積などを組み合わせて総合的に評価します。

参考:
・2020 ACC/AHA Guideline for the Management of Patients With Valvular Heart Disease
・2021 ESC/EACTS Guidelines for the management of valvular heart disease
・日本循環器学会「弁膜症治療のガイドライン」