2026年10月9日(金)看護師クイズ 回答
| 概要 | 成人患者にHFNCを使用中、SpO₂が88%に低下した。FiO₂ 0.40、流量30 L/分で、呼吸数32回/分、努力呼吸を認める。直ちに気道確保が必要な所見はない。設定の見直しとして最も適切なのはどれか? ① FiO₂を下げて経過観察する ② FiO₂を調整し、流量増加も検討する ③ 流量を10 L/分まで下げる ④ 加温加湿を停止する |
|---|---|
| 回答 | ② FiO₂を調整し、流量増加も検討する |
| 解説 | ネーザルハイフロー(HFNC)では、FiO₂(吸入酸素濃度)とガス流量をそれぞれ独立して調整できることが特徴である。 今回の症例では、FiO₂ 0.40、流量30 L/分でSpO₂ 88%、呼吸数32回/分、努力呼吸を認めており、酸素化不良に加えて呼吸仕事量が増大している状態と考えられる。 ① FiO₂の調整 FiO₂は主に酸素化を改善するために調整する。SpO₂が目標値を下回っている場合は、患者の病態に応じてFiO₂を増加させる。一般的な急性低酸素性呼吸不全ではSpO₂ 92〜96%程度を目安とすることが多いが、CO₂貯留リスクがある患者では88〜92%など、個別の目標設定が必要となる。 ② ガス流量の調整 HFNCのガス流量は、成人では一般的に30〜60 L/分程度で使用される。流量を増加させることで、患者の吸気流量に対応しやすくなり、室内気の混入を減らすことで設定FiO₂に近い酸素濃度を供給しやすくなる。 また、鼻咽頭の解剖学的死腔に残ったCO₂を洗い出し、再吸入を減少させる効果がある。さらに、流量に応じて軽度の気道陽圧が生じ、呼気終末肺容量の増加や呼吸仕事量の軽減が期待できる。ただし、NPPVのように一定のPEEPを保証するものではない。 今回のように呼吸数32回/分、努力呼吸を認める場合は、流量30 L/分では患者の吸気需要を十分に満たしていない可能性があり、忍容性を確認しながら40〜60 L/分への増量を検討する。 ③ HFNCの効果判定 設定変更後はSpO₂の改善だけでなく、呼吸数、努力呼吸、意識状態、循環動態を評価する必要がある。 特に、呼吸数と酸素化を組み合わせたROX indexはHFNCの治療効果を評価する指標として用いられる。 ROX index =(SpO₂ / FiO₂)/ 呼吸数 今回の症例では、(88 / 0.40)/ 32 = 6.88となる。 ただし、ROX indexは単回の数値だけで判断するものではなく、HFNC開始後の経過時間や数値の推移、努力呼吸などの臨床所見と合わせて評価する。今回の6.88という値だけでHFNCが成功しているとは判断できない。 ④ 挿管への移行判断 FiO₂や流量を増加させても酸素化が改善しない場合や、努力呼吸の増悪、意識障害、呼吸疲弊などを認める場合は、HFNCの継続に固執せず、速やかに気管挿管を含めた呼吸管理の変更を検討する。 HFNCの治療失敗を見逃すと、気管挿管の遅れにつながる可能性があるため、設定調整と並行した継続的な評価が重要である。 臨床で押さえるポイントFiO₂は主に酸素化、流量は吸気需要への対応や呼吸仕事量の軽減を目的として調整する。 ただし、流量増加によって実際に吸入される酸素濃度が安定する場合もあり、両者の作用は完全に独立しているわけではない。 今回の症例では、FiO₂の調整に加えて流量増加を検討することが適切であるが、努力呼吸が持続する場合は早期に挿管の必要性を評価することが重要である。 |
| 概要 | 成人患者にHFNCを使用中、SpO₂が88%に低下した。FiO₂ 0.40、流量30 L/分で、呼吸数32回/分、努力呼吸を認める。直ちに気道確保が必要な所見はない。設定の見直しとして最も適切なのはどれか? ① FiO₂を下げて経過観察する ② FiO₂を調整し、流量増加も検討する ③ 流量を10 L/分まで下げる ④ 加温加湿を停止する |
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| 回答 | ② FiO₂を調整し、流量増加も検討する |
| 解説 | ネーザルハイフロー(HFNC)では、FiO₂(吸入酸素濃度)とガス流量をそれぞれ独立して調整できることが特徴である。 今回の症例では、FiO₂ 0.40、流量30 L/分でSpO₂ 88%、呼吸数32回/分、努力呼吸を認めており、酸素化不良に加えて呼吸仕事量が増大している状態と考えられる。 ① FiO₂の調整 FiO₂は主に酸素化を改善するために調整する。SpO₂が目標値を下回っている場合は、患者の病態に応じてFiO₂を増加させる。一般的な急性低酸素性呼吸不全ではSpO₂ 92〜96%程度を目安とすることが多いが、CO₂貯留リスクがある患者では88〜92%など、個別の目標設定が必要となる。 ② ガス流量の調整 HFNCのガス流量は、成人では一般的に30〜60 L/分程度で使用される。流量を増加させることで、患者の吸気流量に対応しやすくなり、室内気の混入を減らすことで設定FiO₂に近い酸素濃度を供給しやすくなる。 また、鼻咽頭の解剖学的死腔に残ったCO₂を洗い出し、再吸入を減少させる効果がある。さらに、流量に応じて軽度の気道陽圧が生じ、呼気終末肺容量の増加や呼吸仕事量の軽減が期待できる。ただし、NPPVのように一定のPEEPを保証するものではない。 今回のように呼吸数32回/分、努力呼吸を認める場合は、流量30 L/分では患者の吸気需要を十分に満たしていない可能性があり、忍容性を確認しながら40〜60 L/分への増量を検討する。 ③ HFNCの効果判定 設定変更後はSpO₂の改善だけでなく、呼吸数、努力呼吸、意識状態、循環動態を評価する必要がある。 特に、呼吸数と酸素化を組み合わせたROX indexはHFNCの治療効果を評価する指標として用いられる。 ROX index =(SpO₂ / FiO₂)/ 呼吸数 今回の症例では、(88 / 0.40)/ 32 = 6.88となる。 ただし、ROX indexは単回の数値だけで判断するものではなく、HFNC開始後の経過時間や数値の推移、努力呼吸などの臨床所見と合わせて評価する。今回の6.88という値だけでHFNCが成功しているとは判断できない。 ④ 挿管への移行判断 FiO₂や流量を増加させても酸素化が改善しない場合や、努力呼吸の増悪、意識障害、呼吸疲弊などを認める場合は、HFNCの継続に固執せず、速やかに気管挿管を含めた呼吸管理の変更を検討する。 HFNCの治療失敗を見逃すと、気管挿管の遅れにつながる可能性があるため、設定調整と並行した継続的な評価が重要である。 臨床で押さえるポイントFiO₂は主に酸素化、流量は吸気需要への対応や呼吸仕事量の軽減を目的として調整する。 ただし、流量増加によって実際に吸入される酸素濃度が安定する場合もあり、両者の作用は完全に独立しているわけではない。 今回の症例では、FiO₂の調整に加えて流量増加を検討することが適切であるが、努力呼吸が持続する場合は早期に挿管の必要性を評価することが重要である。 |