2026年2月5日(木)看護師クイズ 解答

概要 敗血症患者でEtCO₂が徐々に低下してきた。SpO₂は変化なし。 最も関連が深い因子はどれ?




A. 肺胞低換気
B. 心拍出量低下
C. 酸素投与量不足
D. 鎮静不足







回答

B

解説

なぜ敗血症でEtCO₂が「徐々に」下がると、心拍出量低下が最も関連するのか

EtCO₂は「換気」だけでなく「肺血流(=心拍出量)」の影響が大きい

EtCO₂(呼気終末CO₂)は、ざっくり言うと

  • 体で作られたCO₂(代謝)が静脈血に乗って肺に運ばれ(循環=心拍出量)肺胞から吐き出される(換気)

この“運ばれる”部分が落ちると、肺に届くCO₂そのものが減ってEtCO₂が下がります
「換気」が同じでも、肺血流(心拍出量)が低下するとEtCO₂は低下しやすい、という考え方です。

敗血症で起きやすい「EtCO₂が下がる循環の理由」

敗血症では時間経過とともに、以下が起き得ます:

  • 相対的/絶対的な循環血液量不足(血管拡張+血管透過性亢進で血管外へ漏れる)

  • 心筋抑制(septic cardiomyopathy)で心拍出量が落ちることがある

  • 微小循環障害で“運べているつもりでも”実効灌流が低下

結果として、静脈血から肺へ戻ってくるCO₂輸送が減る → EtCO₂がじわじわ低下
また、ショック患者でEtCO₂が低いこと・循環変化でEtCO₂が動くことは複数研究で示されています。

じゃあ他の選択肢はなぜ違う?

A. 肺胞低換気(CO₂貯留)

肺胞低換気なら基本は **PaCO₂↑ かつ EtCO₂↑(または上がりやすい)**方向。
今回の「EtCO₂が低下」とは逆向きなので第一選択になりにくいです。

C. 酸素投与量不足

酸素不足はまず SpO₂低下に反映されやすい。今回はSpO₂不変なので主因としては薄い。

D. 鎮静不足

鎮静不足で呼吸が増える(過換気)とEtCO₂が下がることはあります。
でも、敗血症で「徐々に低下」+SpO₂不変の文脈では、まず循環低下(灌流低下)を疑うのが安全側です(“見逃すと致命的”だから)。

看護師の観察ポイント(「B:心拍出量低下」を疑う根拠集め)

EtCO₂低下を見たら、「換気は一定か?」を確認しつつ、循環・灌流の指標を取りにいくのがコツです。

1) まず前提チェック(EtCO₂を“血流指標”として使える条件)

  • 呼吸器設定(RR/VT/PEEP)が直近で変わっていない

  • 大きなリークやサンプリング異常がない

  • 体温・シバリングなど代謝が急変していない
    (これらが一定なら、EtCO₂は肺血流をより反映しやすい)

2) 灌流低下のサイン

  • MAP低下、脈圧低下、頻脈/徐脈、不整脈

  • 末梢冷感・冷汗・皮膚まだら(まだらは特に)

  • 尿量低下

  • 乳酸上昇、BE悪化(採血できれば)

  • CRT延長(SSCでも灌流評価として言及)

3) “じわじわ低下”でありがちな落とし穴

  • 体位変換、鎮静調整、昇圧薬調整、PEEP上昇で静脈還流が落ちていないか

  • 分泌物増加や回路水貯留で測定が鈍っていないか

現場での報告(SBAR:コピペ用)

S:敗血症患者、EtCO₂が35→28→22mmHgと徐々に低下。SpO₂は96%で変化なし。
B:呼吸器設定(RR/VT/PEEP)は不変。回路リークなし、サンプリングライン確認済み。
A:MAPは75→62、HR110、尿量低下(直近○mL/h)、末梢冷感(あり/なし)、CRT延長(あり/なし)。
R心拍出量/灌流低下を疑う。輸液反応性評価や昇圧薬調整、必要なら心エコー/乳酸再評価をお願いします。

エビデンス・引用先

  • Kodali BS. Capnography Outside the Operating Rooms. Anesthesiology. 2013.(EtCO₂に影響する要素・波形/測定解釈)

  • Kheng CP, et al. End-tidal CO₂ monitoring in hypotensive shock patients in the ED. Intensive Care Medicine Experimental (2012).(ショックとEtCO₂)

  • Baloch K, et al. Utility of EtCO₂ as a marker… changes reflect CO after fluid challenge (2021).(CO変化とEtCO₂の連動)

  • Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2021(灌流評価・目標MAPなど)

  • Mount Sinai capnography handout(換気・代謝が一定ならEtCO₂は肺血流の指標として使える)

引用セミナー:敗血症セミナー

概要 敗血症患者でEtCO₂が徐々に低下してきた。SpO₂は変化なし。 最も関連が深い因子はどれ?




A. 肺胞低換気
B. 心拍出量低下
C. 酸素投与量不足
D. 鎮静不足







回答

B

解説

なぜ敗血症でEtCO₂が「徐々に」下がると、心拍出量低下が最も関連するのか

EtCO₂は「換気」だけでなく「肺血流(=心拍出量)」の影響が大きい

EtCO₂(呼気終末CO₂)は、ざっくり言うと

  • 体で作られたCO₂(代謝)が静脈血に乗って肺に運ばれ(循環=心拍出量)肺胞から吐き出される(換気)

この“運ばれる”部分が落ちると、肺に届くCO₂そのものが減ってEtCO₂が下がります
「換気」が同じでも、肺血流(心拍出量)が低下するとEtCO₂は低下しやすい、という考え方です。

敗血症で起きやすい「EtCO₂が下がる循環の理由」

敗血症では時間経過とともに、以下が起き得ます:

  • 相対的/絶対的な循環血液量不足(血管拡張+血管透過性亢進で血管外へ漏れる)

  • 心筋抑制(septic cardiomyopathy)で心拍出量が落ちることがある

  • 微小循環障害で“運べているつもりでも”実効灌流が低下

結果として、静脈血から肺へ戻ってくるCO₂輸送が減る → EtCO₂がじわじわ低下
また、ショック患者でEtCO₂が低いこと・循環変化でEtCO₂が動くことは複数研究で示されています。

じゃあ他の選択肢はなぜ違う?

A. 肺胞低換気(CO₂貯留)

肺胞低換気なら基本は **PaCO₂↑ かつ EtCO₂↑(または上がりやすい)**方向。
今回の「EtCO₂が低下」とは逆向きなので第一選択になりにくいです。

C. 酸素投与量不足

酸素不足はまず SpO₂低下に反映されやすい。今回はSpO₂不変なので主因としては薄い。

D. 鎮静不足

鎮静不足で呼吸が増える(過換気)とEtCO₂が下がることはあります。
でも、敗血症で「徐々に低下」+SpO₂不変の文脈では、まず循環低下(灌流低下)を疑うのが安全側です(“見逃すと致命的”だから)。

看護師の観察ポイント(「B:心拍出量低下」を疑う根拠集め)

EtCO₂低下を見たら、「換気は一定か?」を確認しつつ、循環・灌流の指標を取りにいくのがコツです。

1) まず前提チェック(EtCO₂を“血流指標”として使える条件)

  • 呼吸器設定(RR/VT/PEEP)が直近で変わっていない

  • 大きなリークやサンプリング異常がない

  • 体温・シバリングなど代謝が急変していない
    (これらが一定なら、EtCO₂は肺血流をより反映しやすい)

2) 灌流低下のサイン

  • MAP低下、脈圧低下、頻脈/徐脈、不整脈

  • 末梢冷感・冷汗・皮膚まだら(まだらは特に)

  • 尿量低下

  • 乳酸上昇、BE悪化(採血できれば)

  • CRT延長(SSCでも灌流評価として言及)

3) “じわじわ低下”でありがちな落とし穴

  • 体位変換、鎮静調整、昇圧薬調整、PEEP上昇で静脈還流が落ちていないか

  • 分泌物増加や回路水貯留で測定が鈍っていないか

現場での報告(SBAR:コピペ用)

S:敗血症患者、EtCO₂が35→28→22mmHgと徐々に低下。SpO₂は96%で変化なし。
B:呼吸器設定(RR/VT/PEEP)は不変。回路リークなし、サンプリングライン確認済み。
A:MAPは75→62、HR110、尿量低下(直近○mL/h)、末梢冷感(あり/なし)、CRT延長(あり/なし)。
R心拍出量/灌流低下を疑う。輸液反応性評価や昇圧薬調整、必要なら心エコー/乳酸再評価をお願いします。

エビデンス・引用先

  • Kodali BS. Capnography Outside the Operating Rooms. Anesthesiology. 2013.(EtCO₂に影響する要素・波形/測定解釈)

  • Kheng CP, et al. End-tidal CO₂ monitoring in hypotensive shock patients in the ED. Intensive Care Medicine Experimental (2012).(ショックとEtCO₂)

  • Baloch K, et al. Utility of EtCO₂ as a marker… changes reflect CO after fluid challenge (2021).(CO変化とEtCO₂の連動)

  • Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2021(灌流評価・目標MAPなど)

  • Mount Sinai capnography handout(換気・代謝が一定ならEtCO₂は肺血流の指標として使える)

引用セミナー:敗血症セミナー