2026年4月23日(木)看護師クイズ 回答
| 概要 | PCPS(経皮的心肺補助(PCPS))管理中の患者で、十分な流量(3.5 L/min以上)が確保されているにもかかわらず、乳酸が上昇し続けている。 最も考えられる原因はどれか。 A. 酸素化が不十分である B. 末梢循環不全(微小循環障害)がある C. PCPS流量が不足している D. 抗凝固療法が過剰である |
|---|---|
| 回答 | B. 末梢循環不全(微小循環障害)がある |
| 解説 | PCPSは、静脈血を脱血して人工肺で酸素化し、動脈へ送血することで全身の循環と酸素供給を補助する装置であり、理論上は心拍出量(CO)を代替し、酸素供給(DO₂)を維持することが可能である。しかし、流量が十分であっても乳酸が上昇し続ける場合、「酸素が足りない」のではなく、「酸素が組織で利用されていない」または「末梢まで適切に分配されていない」状態が問題となる。 酸素供給は、心拍出量と動脈血酸素含有量の積で決定される(DO₂ = CO × CaO₂)。PCPSではこのCOの部分は補われるが、組織レベルでの酸素利用(VO₂)や微小循環が破綻していると、十分な酸素が届いていても細胞で利用されず、嫌気代謝に移行して乳酸が上昇する。 特に重症患者では、毛細血管レベルでの血流の不均一、シャント形成、血管トーンの異常、さらにはミトコンドリア機能障害などにより、マクロ循環(血圧や流量)が保たれていてもミクロ循環が破綻していることがある。これがいわゆる微小循環障害であり、PCPS管理における重要な落とし穴である。 さらにPCPSは非拍動流となるため微小循環に不利に働くことや、後負荷上昇による左室うっ血、大動脈内での血流混合不良(いわゆるHarlequin症候群)なども影響し、単純な流量確保だけでは組織還流の改善につながらない。 臨床では、乳酸の推移、末梢冷感、毛細血管再充満時間、尿量、皮膚のまだら(mottling)などを総合的に評価することが重要である。対応としては単なる流量増加ではなく、血管作動薬の調整、輸液管理、感染コントロール、必要に応じたIABP併用などを検討する。 まとめとして、PCPSは全身の血流量を確保する装置であるが、組織レベルの酸素利用や微小循環までは保証しない点を理解することが重要である。 引用セミナー:PCPSセミナー |
| 概要 | PCPS(経皮的心肺補助(PCPS))管理中の患者で、十分な流量(3.5 L/min以上)が確保されているにもかかわらず、乳酸が上昇し続けている。 最も考えられる原因はどれか。 A. 酸素化が不十分である B. 末梢循環不全(微小循環障害)がある C. PCPS流量が不足している D. 抗凝固療法が過剰である |
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| 回答 | B. 末梢循環不全(微小循環障害)がある |
| 解説 | PCPSは、静脈血を脱血して人工肺で酸素化し、動脈へ送血することで全身の循環と酸素供給を補助する装置であり、理論上は心拍出量(CO)を代替し、酸素供給(DO₂)を維持することが可能である。しかし、流量が十分であっても乳酸が上昇し続ける場合、「酸素が足りない」のではなく、「酸素が組織で利用されていない」または「末梢まで適切に分配されていない」状態が問題となる。 酸素供給は、心拍出量と動脈血酸素含有量の積で決定される(DO₂ = CO × CaO₂)。PCPSではこのCOの部分は補われるが、組織レベルでの酸素利用(VO₂)や微小循環が破綻していると、十分な酸素が届いていても細胞で利用されず、嫌気代謝に移行して乳酸が上昇する。 特に重症患者では、毛細血管レベルでの血流の不均一、シャント形成、血管トーンの異常、さらにはミトコンドリア機能障害などにより、マクロ循環(血圧や流量)が保たれていてもミクロ循環が破綻していることがある。これがいわゆる微小循環障害であり、PCPS管理における重要な落とし穴である。 さらにPCPSは非拍動流となるため微小循環に不利に働くことや、後負荷上昇による左室うっ血、大動脈内での血流混合不良(いわゆるHarlequin症候群)なども影響し、単純な流量確保だけでは組織還流の改善につながらない。 臨床では、乳酸の推移、末梢冷感、毛細血管再充満時間、尿量、皮膚のまだら(mottling)などを総合的に評価することが重要である。対応としては単なる流量増加ではなく、血管作動薬の調整、輸液管理、感染コントロール、必要に応じたIABP併用などを検討する。 まとめとして、PCPSは全身の血流量を確保する装置であるが、組織レベルの酸素利用や微小循環までは保証しない点を理解することが重要である。 引用セミナー:PCPSセミナー |