2026年6月30日(火)看護師クイズ 回答
| 概要 | ECMO管理中の患者で、回路流量(Flow)が急激に低下し、脱血回路(脱血側)が細かく振動(チャタリング)しています。最も考えられる原因はどれでしょうか。 A. 脱血不足(Preload不足) B. 人工肺の血栓形成 C. 酸素ガス(Sweep Gas)の停止 D. 動脈カニューレの閉塞 |
|---|---|
| 回答 | A. 脱血不足(Preload不足) |
| 解説 | ECMO管理中にFlowが急激に低下し、脱血回路が細かく振動する「チャタリング(Chattering)」が見られた場合、まず疑うべきなのは脱血不足です。 ECMOは、患者さんの静脈から血液を脱血し、人工肺で酸素化・二酸化炭素除去を行った後、再び体内へ血液を戻す循環補助装置です。そのため、ポンプが十分な血液を吸引できなければ、Flowは維持できません。 チャタリングは、ポンプが血液を吸引しようとしているにもかかわらず、静脈から十分な血液が供給されず、脱血カニューレが血管壁に吸い付いたり離れたりを繰り返すことで発生します。これは「ポンプの異常」ではなく、「患者側から血液が十分に戻ってきていない」という重要なサインです。 原因としては、出血や脱水による循環血液量の減少、利尿薬の影響、血管拡張による前負荷低下、体位変換によるカニューレ位置の変化、咳嗽や腹圧上昇による静脈還流の低下などが考えられます。 Flowが低下すると、RPM(ポンプ回転数)を上げたくなるかもしれません。しかし、脱血不足の状態でRPMを上げると、さらに陰圧が強くなり、脱血不良が悪化するだけでなく、溶血や血管損傷を引き起こす危険性があります。そのため、まずは患者の循環状態やカニューレの位置を評価し、必要に応じて輸液・輸血、体位調整、RPMの一時的な低下などを検討することが重要です。 一方、人工肺の血栓形成では人工肺前後の圧較差が上昇し酸素化が悪化することが多く、Sweep Gas(酸素ガス)の停止では二酸化炭素が排出できずPaCO₂が上昇します。また、送血カニューレの閉塞では送血圧の上昇が目立ちます。いずれもチャタリングの典型的な原因ではありません。 ECMO管理では、「Flowが下がったらRPMを見る」のではなく、「なぜ脱血できないのか」を考えることが重要です。チャタリングは患者の前負荷不足やカニューレトラブルを知らせる重要な警告サインであり、迅速な原因検索と適切な対応が安全なECMO管理につながります。
引用セミナー:PCPSセミナー |
| 概要 | ECMO管理中の患者で、回路流量(Flow)が急激に低下し、脱血回路(脱血側)が細かく振動(チャタリング)しています。最も考えられる原因はどれでしょうか。 A. 脱血不足(Preload不足) B. 人工肺の血栓形成 C. 酸素ガス(Sweep Gas)の停止 D. 動脈カニューレの閉塞 |
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| 回答 | A. 脱血不足(Preload不足) |
| 解説 | ECMO管理中にFlowが急激に低下し、脱血回路が細かく振動する「チャタリング(Chattering)」が見られた場合、まず疑うべきなのは脱血不足です。 ECMOは、患者さんの静脈から血液を脱血し、人工肺で酸素化・二酸化炭素除去を行った後、再び体内へ血液を戻す循環補助装置です。そのため、ポンプが十分な血液を吸引できなければ、Flowは維持できません。 チャタリングは、ポンプが血液を吸引しようとしているにもかかわらず、静脈から十分な血液が供給されず、脱血カニューレが血管壁に吸い付いたり離れたりを繰り返すことで発生します。これは「ポンプの異常」ではなく、「患者側から血液が十分に戻ってきていない」という重要なサインです。 原因としては、出血や脱水による循環血液量の減少、利尿薬の影響、血管拡張による前負荷低下、体位変換によるカニューレ位置の変化、咳嗽や腹圧上昇による静脈還流の低下などが考えられます。 Flowが低下すると、RPM(ポンプ回転数)を上げたくなるかもしれません。しかし、脱血不足の状態でRPMを上げると、さらに陰圧が強くなり、脱血不良が悪化するだけでなく、溶血や血管損傷を引き起こす危険性があります。そのため、まずは患者の循環状態やカニューレの位置を評価し、必要に応じて輸液・輸血、体位調整、RPMの一時的な低下などを検討することが重要です。 一方、人工肺の血栓形成では人工肺前後の圧較差が上昇し酸素化が悪化することが多く、Sweep Gas(酸素ガス)の停止では二酸化炭素が排出できずPaCO₂が上昇します。また、送血カニューレの閉塞では送血圧の上昇が目立ちます。いずれもチャタリングの典型的な原因ではありません。 ECMO管理では、「Flowが下がったらRPMを見る」のではなく、「なぜ脱血できないのか」を考えることが重要です。チャタリングは患者の前負荷不足やカニューレトラブルを知らせる重要な警告サインであり、迅速な原因検索と適切な対応が安全なECMO管理につながります。
引用セミナー:PCPSセミナー |