2026年9月14日(月)看護師クイズ 回答

概要 患者さんの動脈血液ガスが以下でした。
pH:7.40
PaCO₂:25 mmHg
HCO₃⁻:15 mEq/L
Lactate:6.0 mmol/L
この血液ガスの評価として、最も適切なのはどれでしょう?





① pHが正常なので酸塩基平衡異常はない
② 代謝性アシドーシスのみが存在する
③ 呼吸性アルカローシスのみが存在する
④ 代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスの両方を疑う






回答

④ 代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスの両方を疑う

解説

今回、一番注意してほしいのは「pHが7.40だから正常」と判断しないことです。

確かにpHだけを見ると正常範囲です。しかし、PaCO₂とHCO₃⁻を見ると、どちらも低下しています。

まずHCO₃⁻は15 mEq/Lまで低下し、さらにLactateは6.0 mmol/Lと上昇しています。

乳酸が増えるということは、体内に酸が増えている状態です。その酸を処理するためにHCO₃⁻が使われるため、HCO₃⁻は低下します。

そのため、この患者さんでは「乳酸上昇を伴う代謝性アシドーシス」が起きていると考えます。

では、PaCO₂が25 mmHgまで低下しているのはなぜでしょうか?

代謝性アシドーシスになると、身体は増えた酸の影響を少しでも減らすために呼吸を増やします。

呼吸を増やしてCO₂を体外へ排出することで、pHを正常に近づけようとします。これが「呼吸性代償」です。

乳酸上昇

体内の酸が増える

HCO₃⁻が低下

代謝性アシドーシス

呼吸を増やす

CO₂を排出

PaCO₂が低下

しかし今回のPaCO₂ 25 mmHgは、単なる代償としては少し低すぎます。

代謝性アシドーシスのときに、どの程度PaCO₂が低下するのが適切なのかを確認する方法が「Winterの式」です。

予測PaCO₂
=1.5×HCO₃⁻+8±2

今回の場合、

1.5×15+8±2
=30.5±2

つまり、予測されるPaCO₂は約28.5~32.5 mmHgです。

ところが、実際のPaCO₂は25 mmHgです。

予測よりもさらにCO₂が低下しています。

つまり、「代謝性アシドーシスを補うために呼吸しているだけ」では説明できません。

代謝性アシドーシスとは別に、過換気による「呼吸性アルカローシス」も起きている可能性があります。

代謝性アシドーシス
→ pHを下げる方向

呼吸性アルカローシス
→ pHを上げる方向

この2つが同時に起きることで、結果としてpHが7.40という正常値に見えているのです。

 

概要 患者さんの動脈血液ガスが以下でした。
pH:7.40
PaCO₂:25 mmHg
HCO₃⁻:15 mEq/L
Lactate:6.0 mmol/L
この血液ガスの評価として、最も適切なのはどれでしょう?





① pHが正常なので酸塩基平衡異常はない
② 代謝性アシドーシスのみが存在する
③ 呼吸性アルカローシスのみが存在する
④ 代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスの両方を疑う






回答

④ 代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスの両方を疑う

解説

今回、一番注意してほしいのは「pHが7.40だから正常」と判断しないことです。

確かにpHだけを見ると正常範囲です。しかし、PaCO₂とHCO₃⁻を見ると、どちらも低下しています。

まずHCO₃⁻は15 mEq/Lまで低下し、さらにLactateは6.0 mmol/Lと上昇しています。

乳酸が増えるということは、体内に酸が増えている状態です。その酸を処理するためにHCO₃⁻が使われるため、HCO₃⁻は低下します。

そのため、この患者さんでは「乳酸上昇を伴う代謝性アシドーシス」が起きていると考えます。

では、PaCO₂が25 mmHgまで低下しているのはなぜでしょうか?

代謝性アシドーシスになると、身体は増えた酸の影響を少しでも減らすために呼吸を増やします。

呼吸を増やしてCO₂を体外へ排出することで、pHを正常に近づけようとします。これが「呼吸性代償」です。

乳酸上昇

体内の酸が増える

HCO₃⁻が低下

代謝性アシドーシス

呼吸を増やす

CO₂を排出

PaCO₂が低下

しかし今回のPaCO₂ 25 mmHgは、単なる代償としては少し低すぎます。

代謝性アシドーシスのときに、どの程度PaCO₂が低下するのが適切なのかを確認する方法が「Winterの式」です。

予測PaCO₂
=1.5×HCO₃⁻+8±2

今回の場合、

1.5×15+8±2
=30.5±2

つまり、予測されるPaCO₂は約28.5~32.5 mmHgです。

ところが、実際のPaCO₂は25 mmHgです。

予測よりもさらにCO₂が低下しています。

つまり、「代謝性アシドーシスを補うために呼吸しているだけ」では説明できません。

代謝性アシドーシスとは別に、過換気による「呼吸性アルカローシス」も起きている可能性があります。

代謝性アシドーシス
→ pHを下げる方向

呼吸性アルカローシス
→ pHを上げる方向

この2つが同時に起きることで、結果としてpHが7.40という正常値に見えているのです。