2025年12月2日（火）看護師クイズ　解答

B．夜間の息切れ

【解説】

心不全が悪化すると、まず 肺うっ血（血液が肺に滞る状態） が進みます。
肺うっ血は 横になると悪化しやすいため、夜間に息苦しさが増える のが典型的です。

代表的な夜間症状：

• PND（発作性夜間呼吸困難）：深夜に突然の強い息切れで目が覚める

• 起座呼吸：横になると息苦しく、座ると楽になる

• 夜間咳嗽：肺うっ血のサイン

これらは、体内に水が増えている早期サインであり、
体重増加と並んで心不全増悪を最も早く捉える指標です。

【心不全悪化時に起こる流れ】

1．体液貯留
2．左房圧の上昇
3．肺うっ血（肺に水が溜まる）
4．夜間の呼吸症状として顕在化
5．BNP上昇 → 浮腫 → 労作時呼吸困難へ進展

【看護師への説明ポイント】

● 「夜中に苦しくなる」は心不全悪化の重要サイン
　→ 特にPND（夜間呼吸困難）は重症化の前段階。

● 体重増加とセットで確認
　→ 体重↑ ＋ 夜間息切れ → うっ血進行のシグナル。

● 患者への説明例
「夜、横になると苦しい場合は肺に水が溜まってきているサインです。
　必ず早めに連絡してください。」

● 夜間症状の変化は再入院の予測因子
　→ 外来や訪問で必ず聴取すべき項目。

セミナー引用：慢性心不全セミナー　心不全療養セミナー