2025年12月3日（水）看護師クイズ　解答

B．心室壁のストレスが増えるため

BNP（および NT-proBNP）は、
心室が引き伸ばされる「壁ストレス」 に反応して分泌されるホルモンです。

心不全で

• 体液が増える

• 左室圧が上昇する

• うっ血が進む
  と、心室壁が伸びるため BNP が上昇します。

BNP は “心臓の苦しさの指標” と言えます。

【BNP／NT-proBNPが上昇する主な状況】

• うっ血（体液貯留）

• 心室圧負荷↑（高血圧、弁膜症）

• 心室容積負荷↑（拡張）

• 急性心不全の悪化

• 右心負荷（肺高血圧、肺塞栓）

※ 腎機能低下でも上昇しやすい（特に NT-proBNP）。

【BNP値の目安（一般的参考値）】

• BNP <100 pg/mL：心不全の可能性は低い

• BNP >200 pg/mL：うっ血の可能性あり

• BNP >400–500 pg/mL：心不全を強く示唆
  ※ 年齢・腎機能で解釈が変わる点に注意。

【看護師への説明ポイント】

● 「BNPは心臓のSOS」
　→ 心室が引き伸ばされると上昇する指標。

● 体重変化・息切れとのセットで判断
　→ BNP単独より「症状＋体重＋BNP」が重要。

● 腎機能低下では高めに出る
　→ NT-proBNPは特に影響を受ける。

● 患者説明例：
「BNPが高いのは、心臓が少し苦しい状態という意味です。
　体重や息切れと一緒に見ていきます。」

引用セミナー：慢性心不全セミナー　急性心不全セミナー