2025年10月15日（水）看護師クイズ　解答

４　血流量の低下は間違い

動脈圧は入口圧ともいわれ、血液がはじめに通過する動脈ラインで測定しています。血液が充分にとれているかを確認するのに役立ちます。この動脈圧が上昇する理由としては、回路の屈曲・凝固、カテーテルの先当たり・狭窄などが考えられます。

動脈圧が経時的に上昇し続けているようであれば、上記の原因を予測し、回路の屈曲であれば是正を、回路凝固であれば交換を、カテーテルの先当たり（カテーテルの先端が血管壁にぶつかっている状態）であれば腕の向きを変える・カテーテルの位置を変えるなどして対応をとってみましょう。

実際にはわざわざ動脈圧を見る必要はなく、静脈圧だけで状況の把握はできます。仮に動脈回路内で屈曲が起こったとします。すると、必然的に静脈にも血液は送れなくなるため、静脈圧は下がります。また、脱血不良を起こした場合も、動脈の血液量が少なくなれば静脈に送る血液量も少なくなるため、静脈圧が下がる傾向にあります。

静脈圧が上昇する原因として多いものに、静脈側のクランプの解除を忘れてクランプしたままにしていることがあります。他のスタッフ任せにせず、確認を怠らないように心がけましょう。

また、シャント血管の狭窄や、静脈弁に穿刺針があたっている場合も静脈圧が上昇します。穿刺針の向きや位置にも注意しましょう。

引用セミナー：血液浄化セミナー　初級・中級・上級　特定行為研修１・２