2025年10月3日(金)看護師クイズ 解答

概要 左心不全の代表的な症状はどれか?
A. 下腿浮腫
B. 頻尿
C. 呼吸困難
D. 腹水
回答

正解:C

解説

左心不全では肺うっ血による呼吸困難・起坐呼吸・肺水腫が出現します。一方、右心不全では浮腫・腹水・肝腫大など末梢循環うっ滞症状が主体です。

では、なぜ「呼吸困難」なのか解説(病態生理
•左室機能低下 → 左房圧↑ → 肺静脈圧↑ → 肺毛細管内静水圧↑。
•スターリング力のバランスが崩れ、間質→肺胞へ水分が移行=肺うっ血/肺水腫となる
•肺コンプライアンス低下と換気血流不均衡(V/Qミスマッチ)で息切れ・低酸素血症が出現する
•仰臥位では静脈還流↑→肺うっ血が悪化し起坐呼吸。就寝後に体液が胸郭へ再分布して発作性夜間呼吸困難(PND)を来しやすい。
1.労作時息切れ(階段・小走りで増悪)
2.起坐呼吸(枕を増やすと楽)
3.夜間の咳嗽・PND、ピンク泡沫状痰(肺胞水腫)
4.安静時呼吸困難
•細かい捻髪音(crackles):背側・肺底から上方へ拡大。
•S3ギャロップ:容量負荷・収縮不全を示唆。
•喘鳴(気道浮腫による“心臓喘息”)。
•末梢冷感・チアノーゼは灌流不全を示す重症サイン。
•胸部X線:肺血流の頭側化、Kerley B line、蝶形陰影(alveolar edema)、心拡大。
•動脈血ガス:低酸素血症、早期は呼吸性アルカローシス。
•BNP/NT-proBNP:呼吸苦の心原性/非心原性の鑑別に有用。
•エコー:左室駆出や充満圧(E/e′など)評価。
•喘息/COPD増悪:笛様音優位、CXRでうっ血に乏しい、BNP低め。
•肺炎:発熱・局在性ラ音、炎症反応高値。
•非心原性肺水腫(ARDSなど):心拡大に乏しい、楔入圧が高くない。
•迷ったら「BNP+CXR+POCUS」の三点セットが実践的。
•体位:高座位(ハイファウラー)で前負荷軽減。
•酸素化のモニタ:SpO₂/呼吸数/努力呼吸の有無。
•入出量管理:利尿薬使用時は尿量・電解質を厳密に。
•日々の体重:1日0.5–1.0kg超の増加は体液貯留を疑う。
•浮腫・頸静脈怒張:右心合併のサインも並行チェック。
•教育:就寝前の飲水量・塩分、枕の枚数、夜間咳の頻度を患者と共有。
選択肢の“落とし穴”解説
•A 下腿浮腫:主に右心不全や両心不全で目立つ。左心不全単独では初期は目立たないことも。
•B 頻尿:心不全そのものの“代表症状”ではない。夜間頻尿は臥位で腎血流が改善→利尿が増えるため心不全でよく見られるが、左心不全の特徴としては呼吸症状が優先。利尿薬投与後の多尿と混同しない。
•C 呼吸困難:左心系うっ血の最中核症状(正解)。
•D 腹水:右心不全や高度のうっ血で出現。
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概要 左心不全の代表的な症状はどれか?
A. 下腿浮腫
B. 頻尿
C. 呼吸困難
D. 腹水
回答

正解:C

解説

左心不全では肺うっ血による呼吸困難・起坐呼吸・肺水腫が出現します。一方、右心不全では浮腫・腹水・肝腫大など末梢循環うっ滞症状が主体です。

では、なぜ「呼吸困難」なのか解説(病態生理
•左室機能低下 → 左房圧↑ → 肺静脈圧↑ → 肺毛細管内静水圧↑。
•スターリング力のバランスが崩れ、間質→肺胞へ水分が移行=肺うっ血/肺水腫となる
•肺コンプライアンス低下と換気血流不均衡(V/Qミスマッチ)で息切れ・低酸素血症が出現する
•仰臥位では静脈還流↑→肺うっ血が悪化し起坐呼吸。就寝後に体液が胸郭へ再分布して発作性夜間呼吸困難(PND)を来しやすい。
1.労作時息切れ(階段・小走りで増悪)
2.起坐呼吸(枕を増やすと楽)
3.夜間の咳嗽・PND、ピンク泡沫状痰(肺胞水腫)
4.安静時呼吸困難
•細かい捻髪音(crackles):背側・肺底から上方へ拡大。
•S3ギャロップ:容量負荷・収縮不全を示唆。
•喘鳴(気道浮腫による“心臓喘息”)。
•末梢冷感・チアノーゼは灌流不全を示す重症サイン。
•胸部X線:肺血流の頭側化、Kerley B line、蝶形陰影(alveolar edema)、心拡大。
•動脈血ガス:低酸素血症、早期は呼吸性アルカローシス。
•BNP/NT-proBNP:呼吸苦の心原性/非心原性の鑑別に有用。
•エコー:左室駆出や充満圧(E/e′など)評価。
•喘息/COPD増悪:笛様音優位、CXRでうっ血に乏しい、BNP低め。
•肺炎:発熱・局在性ラ音、炎症反応高値。
•非心原性肺水腫(ARDSなど):心拡大に乏しい、楔入圧が高くない。
•迷ったら「BNP+CXR+POCUS」の三点セットが実践的。
•体位:高座位(ハイファウラー)で前負荷軽減。
•酸素化のモニタ:SpO₂/呼吸数/努力呼吸の有無。
•入出量管理:利尿薬使用時は尿量・電解質を厳密に。
•日々の体重:1日0.5–1.0kg超の増加は体液貯留を疑う。
•浮腫・頸静脈怒張:右心合併のサインも並行チェック。
•教育:就寝前の飲水量・塩分、枕の枚数、夜間咳の頻度を患者と共有。
選択肢の“落とし穴”解説
•A 下腿浮腫:主に右心不全や両心不全で目立つ。左心不全単独では初期は目立たないことも。
•B 頻尿:心不全そのものの“代表症状”ではない。夜間頻尿は臥位で腎血流が改善→利尿が増えるため心不全でよく見られるが、左心不全の特徴としては呼吸症状が優先。利尿薬投与後の多尿と混同しない。
•C 呼吸困難:左心系うっ血の最中核症状(正解)。
•D 腹水:右心不全や高度のうっ血で出現。
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