2025年12月4日（木）看護師クイズ　解答

B．体重が前日より1kg以上増えたとき

【解説】

心不全患者にとって入浴は、
血管拡張 → 血圧低下 → 心拍数上昇 → 循環増悪が起こりやすい行為となります。

特に「前日より1kg以上体重増加」
＝体液貯留（うっ血）が進行しているサイン
であり、この状態での入浴は 急性増悪の引き金 になります。

息切れ、むくみ、夜間呼吸困難などがあれば、入浴は見合わせます。

【入浴が危険になる理由】

• お湯の温熱で血管が広がり血圧低下

• 心拍数増加 → 心筋酸素需要↑

• 湯に浸かる水圧で静脈還流↑（前負荷↑）

• 入浴中のヒートショックリスク

特に「うっ血している状態」では急性増悪につながりやすい。

【安全に入浴するためのポイント】

• 体重が安定している日だけ入浴可

• 温度は 38〜40℃（ぬるめ）

• 肩まで浸からない（半身浴） が安全

• 入浴時間は10分以内

• 入浴前後にコップ1杯の水分

• 入浴前に血圧・息切れ・むくみをチェック

• 息切れ・動悸がある日はシャワーに変更

【看護師への説明ポイント】

● 「体重1kg増は入浴中止」
　→ 体液貯留がある日は急性増悪のリスクが高い。

● 湯の“水圧”と“温熱”が心臓負荷を増やす
　→ 半身浴・短時間が基本。

● ヒートショック対策も重要
　→ 脱衣所を暖める、急な立ち上がり禁止。

● 患者説明例
「昨日より体重が1kg以上増えた日は、
　心臓に水が溜まっている可能性があるので、入浴は避けてください。」

引用セミナー　慢性心不全療養セミナー