2026年3月5日(木)看護師クイズ 回答

概要 動脈ラインで観察される動脈圧波形について、正しいものはどれでしょうか?




A. ディクロティックノッチ(dicrotic notch)は大動脈弁が開いた時に出現する
B. 動脈圧波形の立ち上がり(upstroke)は左室収縮を反映する
C. 動脈圧波形の振幅が小さい場合は必ず低血圧を示す
D. 橈骨動脈と大動脈の動脈圧波形は完全に同じ形をしている




回答

正解:B

解説

B:動脈圧波形の立ち上がり(upstroke)は左室収縮を反映する → 正しい

動脈圧波形の急峻な立ち上がり(systolic upstroke)は、左室が収縮して血液大動脈へ駆出した瞬間を反映しています。
そのためこの部分は 左室収縮力駆出速度の影響を強く受けます。

例えば以下の状態では波形の立ち上がりが変化します。

このように波形を見ることで循環動態のヒントを得ることができます。

他の選択肢

A:ディクロティックノッチは大動脈弁が開いた時に出現する → 誤り

ディクロティックノッチは
大動脈弁が閉鎖した瞬間に生じる波形です。

左室収縮が終了し、大動脈から左室へ血液が戻ろうとする瞬間に
弁が閉鎖することで圧変化が生じ、このノッチが形成されます。

つまり

  • 収縮期終了

  • 拡張期開始

を示す重要なポイントです。

C:振幅が小さい=必ず低血圧 → 誤り

振幅が小さい原因は様々です。

  • トランスデューサーのダンピング(overdamping)

  • チューブ内の気泡

  • カテーテル閉塞

  • 波形伝達不良

このような測定系トラブルでも波形振幅は小さくなるため
血圧と一致しないことがあります。

D:橈骨動脈と大動脈の波形は完全に同じ → 誤り

末梢に行くほど

  • 収縮期血圧:上昇

  • 拡張期血圧:低下

  • 脈圧:増大

するため、波形形状は変化します。

これは
pressure amplification(圧増幅)
と呼ばれます。

ワンポイント(ICU・手術室で重要)

動脈圧波形の評価では

① 波形の形
② 数値
③ 測定系トラブル

の3つを同時に見ることが重要です。

特に以下は現場で多いトラブルです。

  • 気泡

  • ライン屈曲

  • 血栓

  • 過剰ダンピング

「数値だけでなく波形を必ず見る」ことが重要です。

エビデンス

  • Marino PL. The ICU Book, 4th edition

  • Morgan & Mikhail’s Clinical Anesthesiology

  • 日本集中治療医学会「循環モニタリング」

 

引用セミナー:「動脈圧波形と血圧を知る」セミナー

概要 動脈ラインで観察される動脈圧波形について、正しいものはどれでしょうか?




A. ディクロティックノッチ(dicrotic notch)は大動脈弁が開いた時に出現する
B. 動脈圧波形の立ち上がり(upstroke)は左室収縮を反映する
C. 動脈圧波形の振幅が小さい場合は必ず低血圧を示す
D. 橈骨動脈と大動脈の動脈圧波形は完全に同じ形をしている




回答

正解:B

解説

B:動脈圧波形の立ち上がり(upstroke)は左室収縮を反映する → 正しい

動脈圧波形の急峻な立ち上がり(systolic upstroke)は、左室が収縮して血液大動脈へ駆出した瞬間を反映しています。
そのためこの部分は 左室収縮力駆出速度の影響を強く受けます。

例えば以下の状態では波形の立ち上がりが変化します。

このように波形を見ることで循環動態のヒントを得ることができます。

他の選択肢

A:ディクロティックノッチは大動脈弁が開いた時に出現する → 誤り

ディクロティックノッチは
大動脈弁が閉鎖した瞬間に生じる波形です。

左室収縮が終了し、大動脈から左室へ血液が戻ろうとする瞬間に
弁が閉鎖することで圧変化が生じ、このノッチが形成されます。

つまり

  • 収縮期終了

  • 拡張期開始

を示す重要なポイントです。

C:振幅が小さい=必ず低血圧 → 誤り

振幅が小さい原因は様々です。

  • トランスデューサーのダンピング(overdamping)

  • チューブ内の気泡

  • カテーテル閉塞

  • 波形伝達不良

このような測定系トラブルでも波形振幅は小さくなるため
血圧と一致しないことがあります。

D:橈骨動脈と大動脈の波形は完全に同じ → 誤り

末梢に行くほど

  • 収縮期血圧:上昇

  • 拡張期血圧:低下

  • 脈圧:増大

するため、波形形状は変化します。

これは
pressure amplification(圧増幅)
と呼ばれます。

ワンポイント(ICU・手術室で重要)

動脈圧波形の評価では

① 波形の形
② 数値
③ 測定系トラブル

の3つを同時に見ることが重要です。

特に以下は現場で多いトラブルです。

  • 気泡

  • ライン屈曲

  • 血栓

  • 過剰ダンピング

「数値だけでなく波形を必ず見る」ことが重要です。

エビデンス

  • Marino PL. The ICU Book, 4th edition

  • Morgan & Mikhail’s Clinical Anesthesiology

  • 日本集中治療医学会「循環モニタリング」

 

引用セミナー:「動脈圧波形と血圧を知る」セミナー