2026年9月11日(金)看護師クイズ 回答

概要 動脈血液ガスが以下でした。
pH:7.28
PaCO₂:55 mmHg
HCO₃⁻:25 mEq/L
この血液ガスで最も考えられるのはどれでしょう?






A.呼吸性アシドーシス
B.代謝性アシドーシス
C.呼吸性アルカローシス
D.代謝性アルカローシス





回答

A.呼吸性アシドーシス

解説

1問目の pH 7.28、PaCO₂ 55、HCO₃⁻ 25 は、呼吸性アシドーシスです。pHが低下しているのでまずアシデミアです。次にPaCO₂が高値なので、原因はCO₂貯留と考えます。HCO₃⁻はほぼ正常範囲なので、腎臓による代償がまだ十分ではなく、比較的急性の呼吸性アシドーシスを示唆します。臨床では低換気、鎮静薬、COPD増悪、呼吸筋疲労などを考えます。ポイントは「pHとPaCO₂が逆方向に動いていれば呼吸性」です。

2問目の pH 7.30、PaCO₂ 28、HCO₃⁻ 14 は、代謝性アシドーシスです。pH低下に加えてHCO₃⁻が低下しているため、一次性の異常は代謝性です。PaCO₂が低いのは、呼吸性代償として過換気し、CO₂を排出しているためです。ここで一歩進めるなら、Winterの式
予測PaCO₂ ≒ 1.5 × HCO₃⁻ + 8 ±2
を使います。この場合、1.5×14+8=29なので予測PaCO₂は約27〜31 mmHg。実測28なので、呼吸性代償は適切と考えられます。

3問目の乳酸アシドーシス、DKA、重度の下痢は、いずれも代謝性アシドーシスの原因です。ただし機序が違います。乳酸アシドーシスとDKAは「酸が増える」タイプで、一般に高アニオンギャップ性代謝性アシドーシスになります。一方、下痢は消化管からHCO₃⁻を失うため、通常は正常アニオンギャップ性代謝性アシドーシスです。嘔吐では胃酸HClを失うので、むしろ代謝性アルカローシスになりやすいです。

4問目の「PaCO₂が上昇するとpHは低下する」は正しいです。CO₂は体内で
CO₂ + H₂O ⇄ H₂CO₃ ⇄ H⁺ + HCO₃⁻
の反応に関与します。CO₂が増えると右方向に進み、H⁺が増加するためpHが低下します。つまり、PaCO₂は「呼吸性の酸」と考えると理解しやすいです。

5問目の「代謝性アシドーシスの代償でPaCO₂は上昇する」は誤りです。代謝性アシドーシスではH⁺が増える、あるいはHCO₃⁻が減るため、身体は呼吸を増やしてCO₂を排出します。その結果PaCO₂は低下します。DKAでみられるKussmaul呼吸はその代表例です。ここで重要なのは、代償はpHを正常化する方向に働くが、原則として正常値を超えて反対側には振れないという点です。

血液ガスは、①pH → ②PaCO₂ → ③HCO₃⁻ → ④代償が適切か → ⑤AGや乳酸を見る、の順で読むとかなり整理しやすいです。

引用:血液ガスセミナー

概要 動脈血液ガスが以下でした。
pH:7.28
PaCO₂:55 mmHg
HCO₃⁻:25 mEq/L
この血液ガスで最も考えられるのはどれでしょう?






A.呼吸性アシドーシス
B.代謝性アシドーシス
C.呼吸性アルカローシス
D.代謝性アルカローシス





回答

A.呼吸性アシドーシス

解説

1問目の pH 7.28、PaCO₂ 55、HCO₃⁻ 25 は、呼吸性アシドーシスです。pHが低下しているのでまずアシデミアです。次にPaCO₂が高値なので、原因はCO₂貯留と考えます。HCO₃⁻はほぼ正常範囲なので、腎臓による代償がまだ十分ではなく、比較的急性の呼吸性アシドーシスを示唆します。臨床では低換気、鎮静薬、COPD増悪、呼吸筋疲労などを考えます。ポイントは「pHとPaCO₂が逆方向に動いていれば呼吸性」です。

2問目の pH 7.30、PaCO₂ 28、HCO₃⁻ 14 は、代謝性アシドーシスです。pH低下に加えてHCO₃⁻が低下しているため、一次性の異常は代謝性です。PaCO₂が低いのは、呼吸性代償として過換気し、CO₂を排出しているためです。ここで一歩進めるなら、Winterの式
予測PaCO₂ ≒ 1.5 × HCO₃⁻ + 8 ±2
を使います。この場合、1.5×14+8=29なので予測PaCO₂は約27〜31 mmHg。実測28なので、呼吸性代償は適切と考えられます。

3問目の乳酸アシドーシス、DKA、重度の下痢は、いずれも代謝性アシドーシスの原因です。ただし機序が違います。乳酸アシドーシスとDKAは「酸が増える」タイプで、一般に高アニオンギャップ性代謝性アシドーシスになります。一方、下痢は消化管からHCO₃⁻を失うため、通常は正常アニオンギャップ性代謝性アシドーシスです。嘔吐では胃酸HClを失うので、むしろ代謝性アルカローシスになりやすいです。

4問目の「PaCO₂が上昇するとpHは低下する」は正しいです。CO₂は体内で
CO₂ + H₂O ⇄ H₂CO₃ ⇄ H⁺ + HCO₃⁻
の反応に関与します。CO₂が増えると右方向に進み、H⁺が増加するためpHが低下します。つまり、PaCO₂は「呼吸性の酸」と考えると理解しやすいです。

5問目の「代謝性アシドーシスの代償でPaCO₂は上昇する」は誤りです。代謝性アシドーシスではH⁺が増える、あるいはHCO₃⁻が減るため、身体は呼吸を増やしてCO₂を排出します。その結果PaCO₂は低下します。DKAでみられるKussmaul呼吸はその代表例です。ここで重要なのは、代償はpHを正常化する方向に働くが、原則として正常値を超えて反対側には振れないという点です。

血液ガスは、①pH → ②PaCO₂ → ③HCO₃⁻ → ④代償が適切か → ⑤AGや乳酸を見る、の順で読むとかなり整理しやすいです。

引用:血液ガスセミナー