2026年9月15日(火)看護師クイズ 回答

概要 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の初期治療として、最も適切なのはどれでしょうか?





A. まずインスリンを投与する
B. まず輸液を開始する
C. まず利尿薬を投与する
D. まずアルブミン製剤を投与する




回答

まず輸液を開始する

解説

インスリンは、膵臓にあるランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモンです。膵臓は胃の後方に位置する臓器で、消化酵素を分泌する外分泌機能だけでなく、インスリンやグルカゴンなどを分泌して血糖を調節する内分泌機能も持っています。インスリンは、血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞などに取り込ませ、細胞がエネルギーとして利用できるようにする重要な役割を担っています。

インスリンは食事をしたときだけ分泌されるわけではありません。食事をしていない時間帯にも少量ずつ分泌されており、これを「基礎分泌」といいます。一方、食事によって血糖値が上昇すると、それに合わせて追加でインスリンが分泌されます。これが「追加分泌」です。1型糖尿病ではこのインスリン分泌が大きく障害されるため、基礎分泌と追加分泌の両方をインスリン製剤によって補う必要があります。資料でも、基礎分泌には持効型インスリン、追加分泌には超速効型インスリンを用いる考え方が示されています。

インスリンが不足すると、血液中にはブドウ糖がたくさん存在しているにもかかわらず、細胞の中へ十分に取り込むことができなくなります。つまり、「血液の中には糖が余っているのに、細胞の中ではエネルギー不足」という状態になります。その結果、血糖値は上昇しますが、細胞はエネルギーを得るために別の経路を使わなければなりません。

そこで身体は、脂肪を分解してエネルギーを作ろうとします。脂肪分解によって生じた脂肪酸は肝臓で代謝され、その過程でケトン体が産生されます。ケトン体は酸性物質であるため、大量に蓄積すると血液が酸性に傾き、代謝性アシドーシスを起こします。これが糖尿病性ケトアシドーシス、いわゆるDKAの中心的な病態です。資料でも、インスリン不足から高血糖となる一方、脂肪代謝によってケトン体が産生され、ケトアシドーシスへ進む流れが示されています。

さらにDKAでは、高血糖そのものが強い脱水を引き起こします。血糖値が高くなり、腎臓で再吸収できる範囲を超えると、尿中にブドウ糖が排泄されます。尿中のブドウ糖は水分を一緒に引っ張るため、尿量が増加します。これを浸透圧利尿といいます。その結果、水分だけでなくNaやKなどの電解質も失われ、血管内脱水が進行します。資料でも、DKAでは高血糖による高浸透圧利尿によって高度の脱水状態となり、「血管内」だけでなく「細胞内」も脱水すると説明されています。

そのため、DKAの初期治療では「血糖が高いから、すぐインスリン」と考えるだけでは不十分です。まず重要になるのが輸液です。脱水によって低下した循環血液量を補い、腎血流や末梢循環を改善することが優先されます。資料でも「インスリン投与よりも、まず輸液」と強調されています。輸液だけでも循環が改善し、腎臓からの糖排泄が進むことで血糖値が低下することがあります。

その後、インスリンを投与することで、血液中のブドウ糖を再び細胞内で利用できる状態へ戻し、脂肪分解とケトン体産生を抑えていきます。ここで特に重要なのがカリウムです。インスリンにはブドウ糖だけでなく、Kを細胞内へ移動させる作用もあります。そのため、治療開始前の血清K値が一見正常あるいは高値であっても、インスリン治療を開始すると急速に血清K値が低下することがあります。DKAでは浸透圧利尿によって身体全体としてはKが失われていることも多いため、血清K値だけでなく、経時的な変化をみながら補正することが重要になります。

看護では、単に血糖値だけを見るのではなく、「循環」「脱水」「電解質」「アシドーシス」を一つの流れとして捉えることが大切です。血圧、心拍数、末梢冷感、尿量、意識状態、呼吸状態、血糖、血液ガス、Na、Kなどを継続的に確認します。特にアシドーシスが強い患者では、酸を排出しようとして深く大きな呼吸をするKussmaul呼吸がみられることがあります。

つまりDKAでは、インスリン不足 → 細胞が糖を利用できない → 高血糖+脂肪分解 → ケトン体産生 → アシドーシスという流れと、同時に高血糖 → 浸透圧利尿 → 大量の水分・電解質喪失 → 脱水・循環血液量低下という2つの流れが並行して進みます。この病態を理解すると、「なぜまず輸液なのか」「なぜKを頻回に確認するのか」「なぜインスリンだけ投与してはいけないのか」がつながって理解できます。

引用:インスリンセミナー

概要 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の初期治療として、最も適切なのはどれでしょうか?





A. まずインスリンを投与する
B. まず輸液を開始する
C. まず利尿薬を投与する
D. まずアルブミン製剤を投与する




回答

まず輸液を開始する

解説

インスリンは、膵臓にあるランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモンです。膵臓は胃の後方に位置する臓器で、消化酵素を分泌する外分泌機能だけでなく、インスリンやグルカゴンなどを分泌して血糖を調節する内分泌機能も持っています。インスリンは、血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞などに取り込ませ、細胞がエネルギーとして利用できるようにする重要な役割を担っています。

インスリンは食事をしたときだけ分泌されるわけではありません。食事をしていない時間帯にも少量ずつ分泌されており、これを「基礎分泌」といいます。一方、食事によって血糖値が上昇すると、それに合わせて追加でインスリンが分泌されます。これが「追加分泌」です。1型糖尿病ではこのインスリン分泌が大きく障害されるため、基礎分泌と追加分泌の両方をインスリン製剤によって補う必要があります。資料でも、基礎分泌には持効型インスリン、追加分泌には超速効型インスリンを用いる考え方が示されています。

インスリンが不足すると、血液中にはブドウ糖がたくさん存在しているにもかかわらず、細胞の中へ十分に取り込むことができなくなります。つまり、「血液の中には糖が余っているのに、細胞の中ではエネルギー不足」という状態になります。その結果、血糖値は上昇しますが、細胞はエネルギーを得るために別の経路を使わなければなりません。

そこで身体は、脂肪を分解してエネルギーを作ろうとします。脂肪分解によって生じた脂肪酸は肝臓で代謝され、その過程でケトン体が産生されます。ケトン体は酸性物質であるため、大量に蓄積すると血液が酸性に傾き、代謝性アシドーシスを起こします。これが糖尿病性ケトアシドーシス、いわゆるDKAの中心的な病態です。資料でも、インスリン不足から高血糖となる一方、脂肪代謝によってケトン体が産生され、ケトアシドーシスへ進む流れが示されています。

さらにDKAでは、高血糖そのものが強い脱水を引き起こします。血糖値が高くなり、腎臓で再吸収できる範囲を超えると、尿中にブドウ糖が排泄されます。尿中のブドウ糖は水分を一緒に引っ張るため、尿量が増加します。これを浸透圧利尿といいます。その結果、水分だけでなくNaやKなどの電解質も失われ、血管内脱水が進行します。資料でも、DKAでは高血糖による高浸透圧利尿によって高度の脱水状態となり、「血管内」だけでなく「細胞内」も脱水すると説明されています。

そのため、DKAの初期治療では「血糖が高いから、すぐインスリン」と考えるだけでは不十分です。まず重要になるのが輸液です。脱水によって低下した循環血液量を補い、腎血流や末梢循環を改善することが優先されます。資料でも「インスリン投与よりも、まず輸液」と強調されています。輸液だけでも循環が改善し、腎臓からの糖排泄が進むことで血糖値が低下することがあります。

その後、インスリンを投与することで、血液中のブドウ糖を再び細胞内で利用できる状態へ戻し、脂肪分解とケトン体産生を抑えていきます。ここで特に重要なのがカリウムです。インスリンにはブドウ糖だけでなく、Kを細胞内へ移動させる作用もあります。そのため、治療開始前の血清K値が一見正常あるいは高値であっても、インスリン治療を開始すると急速に血清K値が低下することがあります。DKAでは浸透圧利尿によって身体全体としてはKが失われていることも多いため、血清K値だけでなく、経時的な変化をみながら補正することが重要になります。

看護では、単に血糖値だけを見るのではなく、「循環」「脱水」「電解質」「アシドーシス」を一つの流れとして捉えることが大切です。血圧、心拍数、末梢冷感、尿量、意識状態、呼吸状態、血糖、血液ガス、Na、Kなどを継続的に確認します。特にアシドーシスが強い患者では、酸を排出しようとして深く大きな呼吸をするKussmaul呼吸がみられることがあります。

つまりDKAでは、インスリン不足 → 細胞が糖を利用できない → 高血糖+脂肪分解 → ケトン体産生 → アシドーシスという流れと、同時に高血糖 → 浸透圧利尿 → 大量の水分・電解質喪失 → 脱水・循環血液量低下という2つの流れが並行して進みます。この病態を理解すると、「なぜまず輸液なのか」「なぜKを頻回に確認するのか」「なぜインスリンだけ投与してはいけないのか」がつながって理解できます。

引用:インスリンセミナー